ミリ秒単位で繋ぐ医療の未来:2,000拠点のWi-Fiインフラ刷新と医療データセキュリティの高度化
ビジネス要件
回診時などの移動中にもモバイル端末をシームレスにサポートする院内全域のWi-Fiカバレッジと、厳格なアクセス制御ポリシーの両立
ISSのソリューション
2,000台のアクセスポイントによる堅牢なレイヤー3ネットワークの構築、病院情報システム(HIS)と連携したキオスク型認証システムの導入
システム規模と安定性
高負荷な運用環境下でも、ネットワークのボトルネックやシステムダウンを発生させない圧倒的な処理キャパシティを実証
3,500 – 4,000 台 / 日本事例は、ISS Resolutionがバンコクの主要病院および医学部において実施した、大規模なワイヤレスインフラの近代化プロジェクトです。2,000台以上の企業向けアクセスポイントの導入とインテリジェントなキオスク型認証システムの構築により、病院の中核システムと直接連携するシームレスなネットワーク環境を実現しました。
「紙のカルテ」から「ベッドサイドのタブレット」へ:従来の課題
従来、医師や看護師などの医療従事者は、大量の紙カルテが挟まれた重いバインダーを持ち歩き、診察室や病室を回るたびに大型のX線フィルムを運搬していました。回診終了後は、手書きのメモをナースステーションの固定PCに手作業で転記・入力する必要があり、この二重の手間が患者の待ち時間を長引かせ、誤入力やデータ反映の遅れ(ヒューマンエラー)のリスクを高める要因となっていました。
その根本的な原因は、移動する医療機器の通信を維持するために必要な信号密度とローミングの安定性が、従来のWi-Fiインフラに不足していたことにありました。そのため、病院側は医療スタッフと患者の双方にシームレスなインターネット環境を提供しつつ、かつ低負荷で厳格な認証プロトコルによって管理できる、全院規模のワイヤレス刷新を強く求めていました。
メガプロジェクトとしての解決策:全域をカバーする安定した安全な通信網
ISS Resolutionは、高密度かつ大規模なワイヤレスアーキテクチャを設計し、以下のインフラ基盤を構築しました。
システムインテグレーションの妙:病院情報システム(HIS)との連携
臨床ワークフローを劇的に変革した最大の転換点は、ワイヤレスネットワークと、すべての電子カルテや医療データを管理するコアデータベースである病院情報システム(HIS: Hospital Information System)とのシームレスなネイティブ連携です。
このインテグレーションにより、医療パフォーマンスに目に見える形での改善がもたらされました。医師や看護師は、患者のベッドサイドにいながらモバイルタブレットやノートPCを使って、体温や血圧、検査値の推移、投薬履歴、さらには高解像度のレントゲン写真やCT画像を即座に呼び出すことができます。固定端末へ戻る移動の手間がなくなったことで、その場での迅速な意思決定が可能になり、患者の待ち時間の短縮と最適な治療プロセスの提供に繋がっています。
厳格なデータプライバシー基準:鉄壁の防御による患者情報の保護
医療データは極めて機密性が高く、個人情報保護法などの法的規制が厳格に適用されるため、ISS Resolutionはシステムアーキテクチャの設計において徹底したデータプライバシー対策を組み込みました。
- ISSが構築したキオスク認証インターフェースは、病院の基幹システムと直接通信を行い、利用者の「HN(病院登録番号)の有効性チェックのみ」を実施します。
- Wi-Fi認証サーバー側には、患者の機密情報(PHL)や個人を特定できる情報(PII)などの医療データは一切キャッシュ・保持されません。
- すべての認証サーバーは、外部からのアクセスから保護された病院の物理データセンター内に設置され、高性能なファイアウォールによって厳重に隔離されています。
本プロジェクトの成功は、単なるWi-Fi機器の設置にとどまりません。ISS Resolutionは、運用の俊敏性を高め、重要資産を保護し、医療従事者がインフラの壁を感じることなく迅速で命を救うケアに専念できる「デジタルバックボーン(基盤)」の構築を成功させました。